生産性向上

リモートワーカーの皆様にすぐに使えるツールと次世代ツールをご紹介

リモートワークは、社員にも企業にとっても金銭的なメリットがあります。ただしこれは、適切なツールを使っている場合の話です。適切なツールがなければ、リモートワークは社員の孤立やコミュニケーション不全を招きかねません。

異なる場所で働く人々が連絡を取り合い、共同作業できるようになるまでには、モバイルデバイスから高速インターネットまで様々な技術的進歩が必要でした。さらに現在は、リモートワークをこれまで以上に生産的で共同作業のしやすいものに進化させようと、次世代のイノベーターたちが様々なツールを開発しています。

 

まるで同じ部屋で一緒に仕事をしているかのように

顔を合わせてコミュニケーションを取ることはとても重要です。メールを使ったコミュニケーションでは、送り手がわかりやすく書いていると思っている時でさえ、相手が内容を誤解してしまうことがよくあります。これは、ニューヨーク大学のジャスティン・クルーガー教授が「Egocentrism Over E-mail(メールに見られる自己中心性)」と題した論文で実証しています。アイコンタクト、ボディランゲージ、声の抑揚といった対面コミュニケーションにしかない要素を、メールでは補うことができないのです。

ビデオ会議ソフトを利用することで、遠く離れた社員ともこうした繊細なコミュニケーションが可能になります。手っ取り早いのは、AppleのFacetimeやGoogleのハングアウトなど、無料のツールから始めてみることです。業務におけるオンラインミーティングの重要性はますます高まっていますので、オンラインホワイトボードなどの機能を備えた専用のビジネスソリューションを検討してみるのもよいでしょう。Zoom.usやMicrosoft OfficeとSkype for Businessの統合がお勧めです。

バーチャルリアリティや拡張現実は、ビジネスコミュニケーションにさらに大きな変化をもたらします。MetaやMicrosoftのHoloLensのような製品を導入すれば、離れたところにいる社員がホログラムや特別なヘッドセットを使って立体的な物を相手に見せることができ、製品を驚くほどリアルに視覚化したり、現実のような体験をさせてトレーニングしたりできるのです。

 

 
進捗をきちんと管理する

たとえ全員が同じオフィスで一緒に働いていたとしても、進捗管理には長時間のミーティングが必要です。社員が別々の場所で働いているならばなおさら、進捗を取りまとめるのは至難の業です。

I Done Thisのような進捗管理ソフトウェアは、ミーティングを減らすために開発されたものです。このツールは、1日の終わりに全メンバーに進捗状況を更新するよう促します。収集した情報は翌朝のダイジェストとして送られるので、全員が状況を把握できるようになるというわけです。

さらに細かくプロジェクトを管理するなら、Trelloをお勧めします。共有のボード、カード、リストを取り入れたシステムで、進捗管理がスムーズになります。スタッフはアクティビティログを作成し、リアルタイムで必要なアクションについて話し合えるので、全員がいつも最新の状況を把握できるようになります。

 

終わらないメールの連鎖を断ち切る

リモートワークの同僚と仕事をしたことがある人なら誰でも、何度も返信を重ねるメールのやり取りに煩わされた経験があるでしょう。1970年代に生まれた電子メールというしくみは、現代のビジネスでやり取りされる膨大なコミュニケーションを想定していませんでした。

いくつかの企業が、メールの連鎖を断ち切ろうと優れたインスタントメッセージングのシステムを開発しています。Slackは、その高速でシンプルなコミュニケーション方法で知られ、またたく間に600万人以上のユーザーを獲得しました。会話内容が整理されてアクセスしやすい共有ワークスペースが好評で、全員を参加させながらもムダなやり取りを減らすことに成功しています。

もう1つの選択肢として、Strideがあります。多くの機能はSlackと共通していますが、Strideでは組み込まれたビデオ会議と音声会議の機能も充実しています。また、会話の内容を簡単にアクションアイテムに落とし込む機能も用意されています。

 


共にクリエイティブになる

ミーティングは時として議題や報告の枠から外れて進むことがあります。そんな時の会議は、戦略やアイデアを自由に出し合うクリエイティブな場になっています。

MindMeisterのようなオンラインのマインドマップツールを使うと、企業全体でアイデアを安全かつリアルタイムに共有できるようになります。ブレインストーミングの成果は、コネクション、関係性、階層といった視覚的要素で表現されるため、全体像を簡単につかむことができます。

 

共有の問題を解決するクラウド

リモートワークというパズルを完成させる最後のピースは、ファイル共有のしくみを確立することです。リモートワークの黎明期には、ドラフト版に手直しを重ねては何度もメールに添付していたので、最終版のファイルを見つけるのに苦労したものです。でも今はクラウドがあります。ファイルをオンラインに保存し、クラウド内のファイルを更新すれば、誰もがすぐに最新版を使えるのです。

Google Apps(現在の名称は「G Suite」)は、オンラインのドキュメントをリアルタイムで共同編集するトレンドの火付け役となりました。そしてオンラインドキュメントは、今や業界標準のMicrosoft Officeスイートの中心的機能となりました。

専門性の高いアプリケーションや機密性の高い情報を扱う企業にとって、通常のクラウドサービスを選ぶことはできないかもしれません。こうした企業にはVPN(仮想プライベートネットワーク)があります。VPNを使うことで、リモートワーカーは会社のサーバーに安全にログインすることができるので、必要なアプリケーションやデータにアクセスできるようになります。セキュリティを損なうことなく、柔軟な働き方を実現できるのです。