テクノロジーからタイポグラフィまで、簡潔で魅力的なTEDトークは、あらゆるトピックを取り扱っています。この流動的で予測不可能な現代社会において、2019年のワークプレイスに光を投げかける、専門家によるTEDトーク7選を紹介します。
1. 未来の働き方に関する3つの迷信(および、その迷信が真実ではない理由)
スピーカー: オックスフォード大学ベリオール・カレッジの経済学フェローで、ベストセラー『The Future of the Professions』の共著者でもあるダニエル・サスキンド氏
こんな人におすすめ: ロボットに仕事を奪われるのが不安な人
概要: AIやその他の新しいロボット工学テクノロジーの急速な発展によって、「ロボットは人間に取って代わるか?」という質問がより多く問われるようになってきています。サスキンド氏(1)はこの質問と自動化される将来に対して私たちが持つ3つの誤解に対峙し、尋ねるべき質問は「仕事が少なくなった世界、あるいは完全に無くなった世界で、私たちはどのように富を配分するのか?」であると提唱しています。
2. 話しづらい話題を切り出すために従業員をトレーニングする方法
スピーカー: 朗読パフォーマー、タミカ・ミズレディ・スミス氏
こんな人におすすめ: 従業員(と自分自身)のスキルを向上させたいマネージャー
概要: 誰もが話しづらい話題を避けるものですが、どうしても必要になる場合があります。だからこそ、そうした状況に備え、今こそ従業員に対面でトレーニングを実施すべきタイミングであると、朗読パフォーマーのスミス氏は語ります。スミス氏は、ウィットに富んだトーク(2)の中で、上司や従業員に思いやりと尊敬の意を持ってコミュニケーションを取れるようインスピレーションを与える、「I’m G.R.A.C.E.D.」と呼ばれる職場でのトレーニングプログラムを提唱しています。ポイントは、常に彼らの仕事が重要である理由を伝えることです。
3. 将来、働かずにお金を稼ぐ方法
スピーカー: 未来学者、マーティン・フォード氏
こんな人におすすめ: 人間は20年後に何をしているのか知りたい人
概要: この物議を醸すアイデアを取り上げた率直なトーク(3)で、フォード氏は、従来の仕事から収入を切り離し、万人にベーシックインカムを設けるべきだと主張しています。彼の思い描く未来は、ロボットによってのみならず、人間の仕事が持つ富を配分する力が失われることによって、根本的に作り変えられています。私たちの経済システムはどのように適応するのでしょうか?
4. 信頼を構築、または再構築する方法
スピーカー: ハーバード・ビジネス・スクール教授、フランシス・フライ氏
こんな人におすすめ: ビジネスにおける「信頼」について何度も耳にしていて、より詳しく知りたい人
概要: 信頼とはこの上なく重要なものです。それが崩れてしまった時、どうすればいいのでしょうか。このトークでは(4)、フライ氏が信頼の特訓コースを行い、信頼を築く方法、維持する方法、そして再構築する方法を述べます。「他人をもっと信頼する方法を学ぶことができれば、未だかつてない人類の進歩を見ることができるでしょう」とフライ氏は言います。彼女はこの分野に詳しく、最近ではUberとの連携など、実社会での経験に基づいた知識を得ています。
5. ビジネスがうまくいく意外な要素
スピーカー: イタリア系アメリカ人のビジネスマンで、ヨーロッパ最大の天然ガス会社SnamのCEO、マルコ・アルヴェラ氏(写真・上)
こんな人におすすめ: 職場で不公平な扱いを受けたことがある人
概要: 友達の結婚式に招待されなかった場合でも、運悪く、または悪意のないミスによって罰せられた場合でも、私たちは不公平によって怒り、理路整然と考えられなくなってしまいます。しかし、それは個人的な問題だけに留まらず、ビジネスにも悪影響を及ぼすとアルヴェラ氏は語ります。彼は、Snam社が公平な文化を作るためどのように取り組んでいるかや、持って生まれた感覚に従って、何が正しく、何が従業員をより幸せにして、より良い結果を生み出す方法について説明しています(5)。
6. 多様性はいかにチームをイノベーティブにするか
スピーカー: Boston Consulting Groupパートナーおよびマネージングディレクター、ロシオ・ロレンゾ氏
こんな人におすすめ: より優れた、しっかりとした会社を築きたい人
概要: ロレンゾ氏と彼女のチームは、多様性のある企業は本当にイノベーティブなのか調査するため171社にアンケートを行いました。その結果は、明らかに「Yes」でした。トーク(6)の中で、ロレンゾ氏は、データを詳しく紹介し、いかに企業が多様性を強みとすることによって、よりフレッシュで、クリエイティブなアイデアを生み出し始めることができるか説明しています。
7. 未来の仕事が仕事のように感じられない理由
スピーカー: UPS Strategic Enterprise Fundバイスプレジデント、デイビッド・リー氏
こんな人におすすめ: 自分の仕事にもっと意味を見出したい人
概要: 深く考えさせられるこのトーク(7)の中で、リー氏はシンプルながら過激な方法を提唱しています。新しいワークスタイルの世界で有意義な存在であり続けるためには、隠れた才能や情熱(つまり、休日にやるようなこと)を仕事にするべきだと話しています。「まずは、どのような問題を解決したいと感じるか、そしてどのような才能を活かして仕事をしたいかという質問を人々に尋ねてみましょう。可能性を広げるよう促すことで、人々は驚くほどの成長を遂げるのです」と語っています。
出典:
(1)https://www.ted.com/talks/daniel_susskind_3_myths_about_the_future_of_work_and_why_they_re_not_true
(2)https://www.ted.com/talks/tamekia_mizladi_smith_how_to_train_employees_to_have_difficult_conversations
(3)https://www.ted.com/talks/martin_ford_how_we_ll_earn_money_in_a_future_without_jobs
(4)https://www.ted.com/talks/frances_frei_how_to_build_and_rebuild_trust
(5)https://www.ted.com/talks/marco_alvera_the_surprising_ingredient_that_makes_businesses_work_better
(6)https://www.ted.com/talks/rocio_lorenzo_want_a_more_innovative_company_hire_more_women
(7)https://www.ted.com/talks/david_lee_why_jobs_of_the_future_won_t_feel_like_work