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お金だけでは不十分:内発的動機を高める方法

お金が全てではないーこれを証明する統計があります。イギリスの Glassdoor 社や台湾の Oxford Academic 社、アメリカの Princeton 社を代表とする多くの企業や組織が実施した調査でも、同じことが証明されています。それらの調査の結果によると、報酬や収入などの外発的動機では、従業員のモチベーションが一定程度までしか上がらないことが示されています。

従業員のモチベーションを刺激する要素は他にも数多くあり、雇用主や企業側はそれらを有効活用し、最大の成果を引き出すことができるのです。例えば、キャリアゴールの達成に寄与するような、正しい企業的価値を設けることもその 1 つです。

では、そういった深いニーズを知り満たして、従業員に内発的動機を生じさせるには、会社としては何ができるでしょうか。以下では、いくつかのアイデアをご紹介します。

価値を一致させる

「企業はもはや収益を上げることだけを目的としてはならない。ミッションステートメントが必要だ」という点で、科学者とビジネスリーダーの見解は一致しています。ミッションステートメントは、会社とその従業員がともに目指す理想でなければなりません。PwC の調査では、金融サービスの CEO の約 60% が、2020 年までに最も優秀な人材は、自分と価値観の呼応する企業への就職を望むだろうと回答しています。同様に、Deloitte が 2015 年に実施した調査では、従業員が望み帰属感を持つような独特の企業文化を持った会社が成功する確率が高いことがわかりました。これは数値にすると、1 年に従業員 1 人あたり最大 2400 ドル分の利益として現れるとされています。

このような成功を実現するには、あなたのミッション(使命)を明らかにし、従業員にしっかりと伝えることが重要です。さらに、そのミッションは会社に統合されるものである必要があります。1 つの例として、リサイクルできる施設を設けたり環境にまつわる特別イベントを企画して、あなたが環境保護を目指していることを示すことができます。あるいは、オープン・プラン式のオフィスやリラックスコーナーなどを作ることで、コラボレーションやクリエイティビティを大切にしている姿勢を示すことができます。

重要なのは、企業の価値観がオフィスや組織内で目に見えるように実践され、その価値を従業員と分かちあえるようにすることです。

本当の自由を提供する

ますます多くの従業員が、収入というモチベーションよりも、自由とフレキシビリティを獲得できるような幸せなワークライフバランスを重視するようになっています。リージャスが過去 2 年間で世界のビジネス関係者に調査した結果では、各業界でより多くのコンサルタント (30%)、フリーランス (29%) 、パートタイム労働者 (22%) が活躍するようになっていることがわかりました。

しかし、従業員に対して、フレキシブルな勤務時間を選べるようにすることと、キャリアにおける自由を提供することは同じではありません。調査では、従業員が自らの目標を達成するために権限を与えられる必要性がますます高まっていることが示されています。これはつまり、全体的な会社の業績にはっきりとつながるようなわかりやすく達成可能な目標を用意することを意味します。

社内のチームに存在するヒエラルキー的側面をなくし、チームとして変化への柔軟性を高めることが重要です。そして、上司やマネージャーが部下へのコミュニケーションを十分に図り、締め切りや戦略については柔軟性を働かせることが大切になります。従業員に仕事する場所や時間の選択肢を与えることは、モチベーション向上を目指すこの新しい体制の一角を担うのです。

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適切な「報酬」を与える

もちろん、具体的な利点やメリットを提供し、従業員のモチベーションを高めるのは重要ですが、「報酬」は必ずしもお金である必要はないのです。

そうではなく、従業員が会社の価値観につながりを見出し、自分自身はもちろん、会社にとって意味のあることを達成していると感じられることが重要です。

企業によって当然異なってはきますが、いろいろな状況に応用できるアイデアが生まれています。例えば、シンガポールのスタートアップ LunchClickは、コラボレーションとチーム内の士気向上のために、パープルコイン(紫のコイン)というシステムを取り入れています。これは、従業員同士で良いことをした相手にコインをあげ、そのコインをお菓子やボーナスに交換できるというものです。大手テクノロジー企業Google を含む多くの企業が、ナップポッドを配置して従業員が休めるようにしているほか、新鮮なフルーツを提供して、健康的なワークライフバランスを推進する企業としての価値観を体現しています。

どのようなアプローチをとってモチベーション向上に挑むにしても、重要なのはエンゲージメントです。Deloitte の調査では、経営幹部の 80% が、従業員にもたらされる経験が企業の成功に重要な影響を及ぼす、と回答しています。この従業員の経験に呼応する唯一の方法は、あなたが実施するモチベーション向上の取り組みがどのような影響を与えているのかを理解し、従業員の声を聞くことです。