生産性向上

出張における成果の指標とは:出張時間全体を総合的に管理

米国では、1日に130万件以上の出張旅行が行われています。中国においては2017年には出張旅行の市場が12%も拡大することが予想されています。このような傾向にもかかわらず、私達の多くは出張中の時間を最大限に活用できていません。ユーガブ(Yougov)の調査によると、77%の出張旅行者がオフィスにいる時と比べて出張中の生産性が低下すると感じています。さらに、26%の出張旅行者は、出張は仕事に対する満足度へ実際は悪影響をもたらすものだと感じています。

従業員がいくつもの業務を兼任することの多い急成長企業では、出張も仕事につきものと言っても過言ではないでしょう。そのような状況では、経営者はどのようにして出張中の従業員の満足度と生産性を維持することができるのでしょうか?多くの場合、従業員の考え方を変えることがカギとなります。

ROI(投資利益率)の測定

出張は経費を削減する際に、最初に挙げられる項目の1つですが、この考え方は付加価値の誤った見解に基づいたものです。出張中は会議や基調演説を1回設けるだけでも経費が高額になります。

しかし、出張全体をひとまとめに考えるべきです。ホテルや空港のような場所で行われた日常業務による利益を測定することも必要となります。そうではければ、数日間の勤務に値するほどの生産性が無駄になってしまいます。

このことは労働環境と場所が非常に重要だということを意味します。たとえ、最初に経費が嵩むと思える場合でも、オフィス空間の質と同様、出張先での環境も重要になります。他の都市で、業務に必要なコワーキングスペースを見つけることは、経費が高くつくかもしれませんが、環境の違う場所において、仕事への集中力を向上させる可能性も期待できます。同じように、クライアントと近い場所で働くことは利益をもたらします。リージャスの調査では、世界中の67%の企業がクライアントと物理的に近接した環境は、売上の向上につながると感じています。

時間

時差ボケと疲労感のせいで仕事のスケジュールが台無しになるというよりはむしろ、時差のおかげでビジネスのスピードに合わせて(もしくは、それ以上のスピードで)働くことができるという考え方もあります。他の従業員が起床する前に仕事を処理することで、生産性の向上を実感することができるでしょう。

出張中の移動時間は、効率性の面ではブラックホールと言えるかもしれません。だからこそ、中断時間やインターネットが利用できない時間があることを頭に入れ、その状況に応じた計画を立てるようにしましょう。

例えば、長い待ち時間には安定したインターネット接続のいらない仕事をする計画を立てましょう。

睡眠

睡眠不足の場合、特に睡眠時間が6時間未満の場合は、革新的な思考や創造力をつかさどる脳内の前頭前野の活動が著しく鈍化します。だからこそ、契約交渉やプレゼンテーションをするか、取引先の訪問をするかどうかにかかわらず、十分な睡眠にとることが重要となるのです。具体的には、睡眠を妨げる要素を最小限に抑えるために就寝前に電子機器のスイッチを全て切ったり、適切な目覚まし時計を使うことで、新しい1日をスタートする準備が整った状態で起床できるようになります。出張のときこそ、睡眠に注意を払うべきなのです。